5月16日③

浅い眠りを諦めて、目覚ましアラームがなる前に時間を見ようと携帯を手にした。

ぼんやり働かない寝不足の頭でラインの通知をみる。たっくんから。

 

先だつ、、不幸をおゆりしくだ、、、あっさいい いままっっで、、、ありがと

さよなら

 

え?なにこれ 処理できない。浅い今まで?あ、おゆるしください、かな。先立つ不幸?さよなら?どうゆうこと?お酒をかなり飲んでいるのかきちんと文章が打てていない。

ハッとしてラインが届いた時間をみる   23:34

今の時間 朝4:42   まずい、だいぶ時間が経っている。動悸がしてきた、え?たっくん死んじゃったの?なに?死のうとしたとして、もう時間が経ちすぎている?え?もう会えないの?

たっくんに電話する、繋がらない。連絡してってラインいれる。既読つかない。もう一度電話する、

電波の届かないところにいるか… というアナウンス

まとまらない思考のまま服を着替えてすぐにたっくんの家に車で向かう。たっくんはお兄さんと2人暮らしだから、お兄さんに話して警察に連絡しなくちゃ!捜索願いはやくださなきゃ!早く!まだ助かるかもしれない!

たっくんが みちって優しく笑う顔と声が運転中何度も浮かんでくる。自殺??  昨日のたっくんの状態じゃありえなくもない。山奥で横たわるたっくんや、電車のホームに佇むたっくんや どこかの屋上にいるたっくんが色々浮かんできて、打ち消したくても今は打ち消せない。  

神様 お願い、私からたっくんをとりあげないで。アルコール依存症でいい、躁うつ病でいい、仕事クビでもいい、病院にいかなくてもいい、お願い!生きていて!     

たっくんの家まで私の家から30分くらいなんだけど、もうすぐ付きそうな時携帯がピロンとなった。朝の5時すぎに私にラインを送ってくるような友達はいない。わたしは車を停めて祈る気持ちでラインをひらいた。                   「わかったー」

連絡してという私のラインに対するたっくんからの返事だった。

い、生きてた…  

慌てて電話をかける。電話にでたたっくんの声を聞いた途端、安堵で号泣してしまった。

たっくんの話はまだ意味不明な妄想めいた話だったけど、昨日よりは声が落ち着いている。頭が混乱しているから一人で考えたいと言うたっくんに 分かったから、死なないことを約束してもらい、お酒も心配だから飲み過ぎないでとつたえ電話をきった。

時間を見る。仕事には間に合いそうだ。私の生活も守らないと…

私は深呼吸をして自分のアパートへと急いだ。