2024-01-01から1年間の記事一覧

我が家のサンタクロース

わたしには春夏秋冬稼働のサンタクロースが3年間いたことがある。 見返りのないことを、私は家族以外の誰かの為にこんなにも続けられるだろうか? サンタクロースの正体は近所に住む濱野さんちのおばあちゃんだ。おばあちゃんに出会ったのは子供の学校の資源…

精神薬を飲むこと

たっくんのアカシジア(足のムズムズ)がエビリファイを中止したらおさまった。だけど、次に処方されたジプレキサの副作用は強い眠気だった。 デート中も終始眠そうにしていて、運転もあんまり長時間だと、隣から見ているとたっくんの目がとろ~とし始める。…

きみちゃんと桜

きみちゃんはどう見ても可愛くない顔を鏡に映して、両人差指を頬の真ん中に指し「きゃわいいっ!」と斜め角度45度でポーズを決める。鼻の横にでっかいホクロがあって、よく職員に「きみこ、でっかい鼻くそがついてんぞ」とイジられ「あら、やだ〜」と笑って…

秀ちゃん

患者さんに自分の名前を呼んでもらえると嬉しい。他の誰でもない私を呼んでくれている事に自分の価値を見出だせる気がする。 だから、なかなか個別の認識が難しい患者さんにも「私誰だっけ?」「さ.い.き!」「はい、言ってみて」なんて暇があると、そんな…

葉山さん

料理のさしすせそ ならぬ看護の超基礎、基盤を私に教えてくれたのは、まぎれもなく葉山さんだ。 感謝している。(だいぶ後になって。)私は病院に新人看護師として入職して5年間葉山さんと仕事をしたのだが学ぶことが沢山あった。葉山さんは50代、ベテラン看…

塚地さん

塚地さんは、病院に出入りしている害虫駆除業者さんだ。 お笑いコンビのドランクドラゴンの塚地さんに体系と雰囲気が似ているので、私のなかで勝手にそう呼んでいる。 塚地さんは年に2、3回病棟にやってきて壁際や部屋の隅に薬剤を噴霧していく。 ブルーの…

骨メタの酒井さん

聴診器を手に取ると思い出す人がいる。 酒井さんだ。 私がまだナース1年目のとき酒井さんは入院してきた。酒井さんは元は大工さんをしていて細見の体型ではあったが威勢のいいおじさんだった。ご飯の時も他の入院患者さんとホールで食事をするのだが、片膝…

疎外感

自分のなかのモヤモヤを言葉にできなかったけど、ぴったりの言葉を見つけた。 疎外感。 あぁ、それだそれだ。ぴったりハマる言葉に置き換えられたお陰でモヤモヤがスッと胸から胃まで落ちた。 イジメられている訳でもないのに感じる居心地の悪さ息苦しさ。楽…

訪問看護ステーション①

新しく入職した精神科特化のスマイル訪問看護ステーションのメンバーを紹介しよう。 一人目「マスク下顔面偏差値低過ぎて引く所長」申し訳ないけどこれは自分の思いも含めたネーミングになってしまった。内科から外科やら色んな科を制覇し師長クラスも経験し…

2月5日 雪

雪予報なんてどうせ外れると思っていたら、お昼まえにはチラチラと雪がちらつき夕方には雪景色になってしまった。ノーマルタイヤなので1時間早めにパートをあがらせてもらう。 帰り道、曇った空に雪を枝に乗せた木々が遠目に薄いピンクの満開の桜に見えた。…

2月4日

心がざわつくと、私は聴診器をクローゼットから引っ張り出す。自分の 呼吸の音、お腹の音に耳をすます。万年便秘のくせに私のおなかはこぽこぼ、ぐーとなんだか活発に動いている。 自分自身の音を聞くと、生きているんだなぁと思って少しだけ安心する。聴診…

自己判断の断薬 続き

昨日のモヤモヤした電話の後も、ずっとモヤモヤが晴れなかった。自己判断で断薬。思い浮かぶのは、あの時の別人になった たっくん。妄想バリバリで、私は疑われ決めつけられ怒鳴られて、逃げられて、突き飛ばされて、それでもしがみついて入院させたあの時。…

自己判断での断薬

何の気なしに、彼に「薬ちゃんと飲んでるる?」って聞いたら「のんでない」って返答があって、さっきまでのほんわかしたビデオ通話の空気がスッと引いた。さっきまで笑顔だった私の表情が追いつかず、こわばった笑顔が通話画面に写っている。 2ヶ月まえから…