美容院

今日は風もなくて暖かい。2月も今日で終わるが春の陽気になるらしい。

久しぶりに美容院にいく。

10代後半からずっと同じ美容院に行っている。こまめに通うわけではないし(余裕があれば通いたい)何回かだけど他の美容院にも行ってみたこともある。

だけど、慣れている事の安心感や、喋らなくても放っといてくれるとことか、夫婦で経営していることとか なんだかんだ落ち着く気がする。凄く可愛い女の子の切抜きや(昔は雑誌の切抜き持参)画像を恥ずかしげもなく見せれるのは、安心しているからだと思う。

だいたい大きな鏡に映る自分と目を合わせるのが気まずくて、目を閉じて寝たふりをしている。寝たふりをしながら、だいたいほんとに眠気に襲われて切ってもらっているのに激しく横揺れを起こしはじめてしまい申し訳ない。

頭を触ってもらっているって、どうしてあんなに心地よいのだろう。

もう20年近く通う美容院に1度だけ決意をもって行った回があった。

あれはまだ結婚していた頃で、ちょうど旦那さんの浮気が発覚し、わたしは浮気相手の女性に直接会って謝罪してほしいと頼んだ時だ。

精神状態がまともでなかったわたしに旦那さんは、取り乱さないことを条件に会う段取りになっていた。

いま考えると私はその場で何を口にしようとしたのだろう。とにかく浮気相手の女性に打撃を与えないと自分が惨めというか、これだけ家族をぶち壊して謝罪もなしか!頭を下げろ!てめぇ!という気持ちだったんだろう。

わたしはその日様にマルイの通販で、まあまあ高いワンピースを用意した。

そして美容院にも行った。

すべて完璧な姿で登場して、相手の女性を見返したかった。私のほうが若くて可愛い女性なんですよ、と。

美容院で過ごす時間が地獄のようだった。何回も何回も繰り返すシュミレーション。何を言ってどう振る舞えば私は勝てるんだろう。復讐したいがためにするお洒落なんて何も楽しくない。心がゾワゾワし、何度も蒸し返される怒りと悲しみで脳内が常にいっぱいで、頭を触ってもらっても、温かいお湯も温かい蒸しタオルもちっとも気持ちよくなかった。決戦にいく前の準備だったから、、

結局準備したものの、自分が感情をコントロール出来る自信がなくて自分が希望した相手からの謝罪の場は、怖気付いて断ってしまった。

真実をよりいっそう深く刻まれるきがして、そして取り乱して大声をあげる自分が容易に想像できたから。

 

いい香りのするシャンプーでふわふわに泡立ててもらったわたしの頭が今日はよろこんでいる。

前髪作って可愛くなったかな。

春はもうそこまで来てるよ〜!!!